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【サビ管、児発管必見!】福祉サービス提供に大切なリスクマネジメントについてわかりやすく解説

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しょーなり
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リスクと聞くと「怖い」と感じてしまう方も多いのではないでしょうか?

またリスクマネジメントという言葉は聞いたことがあっても、マネジメントという言葉は難しく感じてしまいがちかと思います。

福祉サービスに20年以上携わっている私の視点で、福祉サービスを提供するうえで大切なリスクマネジメントについてわかりやすく解説します。

リスクマネジメントは経営者や管理者だけが考えるべきものではなく、サビ管や児発管など現場のリーダーとなる方が事業所に合ったリスクマネジメントを考えることが大切です。

リスクは恐れるだけのものではなく、正しく理解してコントロールするものです。

リスクマネジメントを理解して、だれもが安心できる事業所を目指しましょう。

この記事で伝えたい事

リスクマネジメントには、事故が起こるメカニズムの理解とリスクへの共通認識が必要。

質の高いサービスの提供こそが、リスクを減らす一番の方法。

1.リスクマネジメントとは

リスクマネジメントを直訳すると「危機管理」です。

福祉サービスを提供するうえで発生する様々な危機を防ぐ、もしくは危機が発生した際に適切に対応するために管理をするということです。

サービスを提供する上で、発生するリスクはどんなものがあると思いますか?

しょーなり
しょーなり

自分たちの事業所で起きると思われるリスクを洗い出してみましょう。

2.考えられるリスクと対策

福祉サービスを提供するうえで考えられるリスクは書ききれないほど数多くありますが、大きく3つに分けて考えてみたいと思います。

a.サービス提供に伴うリスク

具体的には、利用者の怪我や誤飲等の事故利用者間トラブルなどです。

このリスクは直接的にサービスを提供する上で、全てを回避することは出来ないリスクと言えます。

全てを回避したいとなるとそもそも直接的な支援を提供しないという選択肢になってしまうからです。

対応策として

【適切なアセスメント(利用者の状態把握)】

適切な支援の提供には、適切なアセスメントが欠かせません。

その方の性格や、特性、他者との関わりや身体的な状態などを把握したうえで、起こりうる事故やトラブルを想定して未然に防ぐための対応を取ることが必要です。

状態は日によって変わるものですので、支援者間での情報共有も欠かせません。

利用者の状態を適切に把握して、その情報をチーム間で共有する仕組みが必要です。

b.スタッフに関係するリスク

2つ目は支援を提供するスタッフに関係するリスクです。

具体的には、スタッフの虐待行為メンタル不調送迎等による事故等が考えられます。

雇用側としての対策が大切ですが、チーム作りを行うサビ管や児発管としても取り組みが必要です。

対応策として

支援に迷わない仕組み

アセスメントからその方に必要な支援をチームで検討して皆で統一した支援を行うことが基本です。

チームで支援方法を統一することは虐待防止だけでなくスタッフのメンタルケアにも有効です。

業務マニュアル・個別支援計画・支援手順書など支援について明確な方法を示して、スタッフが1人で支援に悩むことが無いようにしましょう。

c.運営のリスク

運営に伴うリスクとして具体的には感染症や、災害被害収支状況の悪化不正な運営による指定取り消し等が考えられます。

対応策として

【法令の理解と確認】

障害福祉サービスは児童福祉法と障害者総合支援法に基づいたサービスです。

サービスを提供して報酬をもらうためには決められた人員や建物等の要件を満たす必要があります。

ちなみに厚労省データによると、平成27年度~令和元年度の間で指定取り消しや効力停止処分のあった事業所は合計734事業所もあります。1年平均で146事業所が処分を受けているのです。意図的な不正はもちろんですが、知らないが故の不正も避けなければなりません。

令和4年度から虐待防止研修の実施が義務化となるなど法令は常に変化しています。

自分たちの行うサービスについて、管轄部局等への確認を怠らないことが大切です。

【マニュアル等の整備】

災害や感染症の発生そのものは防げるものではありませんが、起こったときに対応することはできます。

ハザードマップの確認やBCPの作成、感染対策のマニュアル作成など起きた時にどう対応するかを明確にしておくことが必要です。

マニュアルは作るだけでは活かされません。

作ったものを基にシュミレーションを行い、修正を加えていくことで初めてスタッフの理解につながります。

「マニュアルを作ったから見ておいて」という対応にはならないようにしましょう。

3.事故が起こるメカニズムの理解

ハインリッヒの法則

「1件の重大事故の裏には29件の軽微な事故と300件の怪我に至らない事故がある」というものです。

ハインリッヒの法則は、統計分析の専門家であるハーバート・ウィリアム・ハインリッヒが工場の労働災害について調査した統計から導き出した法則です。

重大事故になるか怪我に至らない事故になるかどうかは確率の結果ということですが、大切なのは怪我に至らない事故を表面化して対策を取ることで重大な事故を防ぐことが出来るという考え方です。

怪我に至らない事故は大きな事故につながる可能性のあるものとして、顕在化させてその対応をとることが必要になります。

怪我に至らない事故=ヒヤリハットです。

業務の中でヒヤリとしたこと、ハッとしたことを集めてスタッフで共有します。

共有したヒヤリハットへの対応策を検討して、実際の対応につなげることが大切です。

ヒヤリハットは大きな事故が起こることを防ぐことにつながります。

しょーなり
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ヒヤリハットを実施していない事業所はすぐに実施を検討しましょう。

リーズンの軌道モデル

スイスチーズモデルともいわれる、リーズンの軌道モデルは事故が起こる原因を「事故は単独で発生するのではなく複数の事象が連鎖して発生する」というものです。

本来事故が想定される場合の対策は1つではなく複数取り組んでいる事が多いと思います。

車両で言えば点検整備、ドライブレコーダー、安全運転講習などいろいろあります。

イメージ図の通り事故はそれらの対策の穴をすり抜けて生じる結果と言えます。

このモデルから学ぶ事故を防ぐためにできることは、対策の穴を小さくすることそして対策の数を増やすことです。

この軌道モデルをイメージして想定される事故に対して自分たちの対策はどういったものが設定されているか、そしてその対策にどんな穴があるかを理解することが大切です。

人はミスをするものです。人的なミスがあることを前提とした対策を取りましょう。

4.リスクの共通認識

これまでご紹介したリスクや対応策、事故が起こるメカニズム等は管理者やサビ管、児発管だけが理解していればいいことではありません。

リスクマネジメントには支援にあたる1人1人のスタッフがリスクについて理解をしておくことが必要です。

そして、支援する利用者・一緒に働くスタッフ・事業所等を正しく理解することがリスクの把握とコントロールにつながることを共有しましょう。

スタッフ1人1人の理解が、危機を防ぐことや被害を最小限にすることにつながります。

5.クオリティーインプルーブメントの浸透

最後にリスクマネジメントで最も大切だと思うことをご紹介します。

それはクオリティーインプルーブメント(QI)です。

クオリティーインプルーブメントは「より質の高いサービスを提供することによって、多くの事故が未然に回避できる」という考え方です。

支援する上で、利用者さんが怪我をするかもしれないような安心できない環境にいることは好ましいことでしょうか?

質の高い支援を提供する事を目指せば利用者の安心・安全は自然とついてきます。

「怪我しないために、トラブルが起こらないために」と考えるより、「利用者が幸せになるために」と考えて支援することが結果的にリスクを軽減することにつながるということです。

まとめ

福祉サービスを提供するうえでの、リスクマネジメントについて解説いたしました。

人が人を支援する福祉サービスは想定されるリスクも膨大です。

しかし、リスクを怖がってばかりでは適切なサービスの提供は出来ません。

現在は、ITを活用した便利なツールもあります。

それらをうまく活用することでリスクマネジメントに大きな効果を発揮することもできます。

現場をまとめるサビ管・児発管が中心となって質の高い支援を提供して、リスクを減少させましょう。

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