放課後等デイサービスなど障害を対象とした事業所も年々増加しています。
少し興味をもって仕事として働くことを考える時に
そもそも自分に障害福祉の仕事は向いているんだろうか?
という不安もあると思います。
この記事では福祉事業所で20年以上勤務して管理者等で多くの事業所に携わった僕の立場から、福祉事業所で働くことに向いている人と向いていない人をご紹介します。
障害福祉のお仕事に興味を持った方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
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1.福祉事業の種類はたくさん
まず前提条件として、障害福祉事業所には様々な種類があります。
入所系~障害者支援施設・グループホーム 等
訪問系~居宅介護・行動援護 等
通所系~生活介護・放課後等デイサービス・児童発達支援 等
就労系~就労継続支援・就労移行支援 等
相談系~相談支援 等
ざっくりご紹介するだけでも上記の種類があり、それぞれで支援の内容が変わります。
また対象も、身体障害・精神障害・知的障害・発達障害・難病などなど幅広いです。
対象者やサービス形態によって求められるものは変わりますが、この記事では「障害がある方を支援する仕事」という大きな枠で向いている・向いていない方をご紹介させていただきます。
詳しい福祉事業の種類は厚労省HP障害福祉サービスについてをご覧ください。
2.向いている人 3選
多様な価値観を受け入れられる人
支援の対象者は「障害がある方」で、社会的に少数派の方々です。
その生き方や考え方は、当事者では無い私たちにとって安易に想像できるものではありません。
その中で支援者は障害がある方の人生というマラソンの方向性に寄り添い、伴走する役割です。
あくまで目指すべきは「支援対象者がこうなりたいという姿」です。
そのためには自分とは違う考え方や価値観、常識を受け入れられる方である事が大切です。
自分とは違う生き方だとしても、「そんな生き方もあってもいい」といったように柔軟に考えられる方は福祉の仕事に向いていると思います。
チームで働くことが好きな人
福祉の仕事はチームで行うことが基本です。
なぜチーム支援なのかというと多数の視点で支援を検討すること、そして支援者同士フォローし合うことが大切だからです。
先程の価値観のところでの話と重なりますが、支援者に寄り添うためには多様な価値観を受け入れることが必要です。
しかし個人で考えるとどうしても自分の価値観や常識に縛られてしまうこともあります。そうならないためにチームで支援対象者について様々な立場から意見を交わして方向性を決定していくことが大切です。
また、支援はすぐに結果に結びつかないことも多いです。
他者とのコミュニケーションは私たちの日常生活の中でも難しさを感じるかと思いますが、障害がある方の中にはコミュニケーションが苦手な方も多くいらっしゃいます。
また強度行動障害という、他者や自分を傷つける行動などが頻回に現れる状態になっている方もいます。
支援に魔法は無く、
支援対象者を知る→チームで支援を検討→支援を実施→支援の記録を基に再度検討
という工程をサイクルとして回していくしかないのです。
仕事ですぐに成果が出ないとき、支えになるのはチームの仲間です。
チームで何かを成し遂げる方が好きな方は、チームのみんなでより良い支援を考える時間を楽しく感じ、困難と喜びをみんなでわけあうことが出来るでしょう。
広い視野で考えられる人
「自立は依存先を増やすこと」これは小児科医で東京大学先端科学技術研究センターの特任講師である熊谷晋一郎さんの言葉です。
この言葉は、
そもそも人間は生活をする上で様々なものに依存して生きている。いろいろなものに少しづつ依存していることで「依存していること」を感じていない状態が自立ということで、依存先が限られてしまっている状態が「障害」であるということを意味しています。
僕自身はこの考え方はとても納得のいくものでした。
支援は、障害がある方・困っている方の能力を発揮できるよう選択肢と依存先を広げていくことです。
広い視野を持って自分自身と支援対象者のネットワークを広げていける方は、きっとより良い支援が出来ると思います。
「障害」の考え方については↓こちらで詳しく解説していますのでご覧ください。
持っている力を活かすエンパワメントについて↓こちらで詳しく解説しています。是非ご覧ください。
3.向いていない人 3選
次に向いていない人をご紹介させていただきますが、基本的には向いている人の対極にいる方となります。
自分の価値観を人にも求めてしまう人
自分の価値観にこだわる方、つまり「~すべき」「~しなきゃいけない」といったような考えが強く、さらに他者にも求めてしまう方は障害福祉の仕事に向いていません。
「~すべき」という考え方は、もちろんその方が生きてきた中で教訓などにしてきたことでありそれ自体を否定するものではありません。
しかしその考えが強いばかりに、支援をする対象者へもその考えを押し付けてしまう事は非常に危険です。
障害がある方にはもちろんその方なりの考え方や生き方がありますが、それを表現することが苦手なケースが多いため、ともすれば「支援者の考えている」障害がある方の理想像に支援の方向性が向いてしまう危険性があります。
例えば
お金を好きな趣味に使いたいAさん→支援者が「そんなことにお金を使ったらもったいない」と購入を制限する
自分のしたい仕事を目指すBさん→支援者が「人生はそんなに甘くない」とやりたくない仕事をやらせる
支援対象者の意思を無視した支援とは言えない行動になってしまいます。
だからこそ支援者は人一倍、自分の価値観に向き合って支援の方向性は本当に支援対象者がなりたい姿なのかを問い続けることが必要です。
自分の価値観を支援対象者にも押し付けてしまう人は、支援者にはなれません。
自分のやりたいように仕事がしたい人
向いている人の中でもお伝えした通り、福祉の仕事はチームで取り組むものです。
つまり他の人から指図は受けず自分のやりたいように仕事がしたいという方には向いていません。
例えば
YouTubeを見ることに強いこだわりがあり、ごはんなどの活動にも影響があるCさんにYouTubeを見る時間を決め、合わせてタイマーで見る時間がわかるように伝えようと会議で支援の方針を決定した。
↓
支援者は「YouTubeは見たいときに見たらいい」と考えて決まった時間を守らず、いつでもYouTubeを見せていた。
そんな事になったらCさんはどうなるでしょう?
1人の支援者の時はいつでもYouTubeを見ることが出来るのに、他の支援者の時には制限される。そんな現状に、どうしてかわからず混乱してしまう可能性も高いです。
※この例はあくまでYouTubeを「見せる」「見せない」どちらが正しいということではなく、支援が統一されていないことで結果的にCさんを混乱させてしまう事を問題としています。
個人の考えでバラバラの支援をしていたら、結局困るのは支援を受けている障害がある方です。
目の前のことしか見えなくなってしまう人
福祉事業所にいる障害のある方は、生活上の様々な困難さを感じて支援を受けにきます。
つまり「困っている人」です。
困っている人がいれば、何とかしたいと思うのが人情ですよね。
「自分が何とかしないと」という想いがあふれて、自分に出来ることはなんでもしたくなる。
その考えは大切ですが、長期的に見ると「自分が」という考えが強くなりすぎることは危険です。
障害はその人個人の問題ではなく、社会の在り方との相互作用で生まれます。
1人の支援者だけで支えたり、変えられるものではないからこそ社会資源のネットワーク構築が必要です。
「自分が」という狭い視点の支援は、双方が苦しくなってしまう可能性もあります。
まとめ
簡単にまとめると障害福祉の仕事に向いている人は、「多様な価値観を受け入れて、チームで障害がある方の選択肢を広げていける方」。
向いていない方は「自分の考えに固執して他者に押し付けてしまう方」です。
福祉の仕事の大前提として、主役は支援対象者であり支援者ではありません。
誰もがみんな自分の人生の主役として、自分らしい生き方のお手伝いをする。障害福祉の仕事はそんな仕事です。
是非興味を持っていただけたら嬉しいです。
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