「児童の権利に関する条約(以下 子どもの権利条約)」をご存じでしょうか?
子どもに関わるお仕事の方は聞いたこともあるかと思います。
日本における児童虐待の現状は、令和3年度の児童相談所の児童虐待相談対応件数を見ると207,659件と過去最多を更新しており、社会的に大きな課題となっています。
そのような現状の中、子どもの権利を示した「子どもの権利条約」は大人はもちろん子どもも理解しておくべきことです。
この記事では子どもが一人の人間として尊重されるよう示された国際条約「子どもの権利条約」をポイントを押さえてわかりやすく紹介いたします。
児童虐待の現状については↓こちらで解説しています。是非ご覧ください。
1.子どもの権利条約は1990年にスタート
子どもは弱い立場です。暴力や搾取の対象となり、強制的な労働や紛争などにおいても犠牲になることもあります。
そんな状況を変えていくべきという想いが、世界的な動きとなりました。
1959年 児童の権利宣言 1989年 子どもの権利条約が国連で採択される 1990年 子どもの権利条約が国際条約として発行される
日本がこの条約に批准(条約を守ることに同意すること)したのは1994年です。
現在ほとんどの国が批准していますが、アメリカ合衆国は批准していません。
2.子どものことを考えるときの前提「4つの原則」
子どものことを考えるときに前提とすべきことが、この4つの原則です。
どれもが1人の人間として当たり前のことですが、常に子どもにとって最も良いこと(最善の利益)を考えることはとても大切ですね。
3.子どもが持つ権利
障害者権利条約の条文は全部で54条。
生きる権利や、育つ権利にはじまり、
意見を表す権利や表現の自由など細かくこどもの権利等について記載されています。
もっと深く知りたい方は日本ユニセフ協会のHPにある子どもの権利条約日本ユニセフ協会妙訳をご覧ください。難しい条文も要約されて、とてもわかりやすく記載されています。
4.日本の新しい法律「こども基本法」
こどもの権利等を定めたこども基本法が令和4年6月15日国会で成立し、令和5年4月1日に公布されます。
こども基本法はこどもの権利を保障する総合的な法律です。
日本は子どもの権利条約に批准した後も、すぐに子どもの権利を示す法律を作りませんでした。
しかし子どもの基本的な権利を明記した法律が求められており、令和4年の成立に繋がりました。
こども基本法の中でも、子どもの権利が示されています。子どもの権利条約と合わせてご理解ください。
こども基本法については↓こちらで解説しています。是非ご覧ください。
まとめ
子どもの権利条約には4つの原則と、子どもが持つ権利が示されています。
条約の内容が示すものは1人の人間として当たり前の権利です。
しかし、その権利が守られていない現状があります。
国際条約と聞くと遠い話のように聞こえるかもしれませんが、目の前にいる子どもについての話です。
あなたの周りにいる子どもは健やかに成長できていますか?
自分にとって身近なこととして考えてみましょう。