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【管理者・サビ管・児発管の責務】 法的役割についてわかりやすく解説

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制度
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障害福祉サービス事業所では様々な職員がそれぞれの役割を担っていますが、管理者・サービス管理責任者(以下 サビ管)・児童発達支援管理責任者(以下 児発管)はその中においてもより多くの役割を担う立場となります。

重要な役割を担う管理者・サビ管・児発管の役割をしっかりと理解しているでしょうか?

障害福祉サービスは障害者総合支援法や児童福祉法に基づくサービスであり、法律によって定められている基準を理解することが必要となります。

この記事では、運営等に関する基準等に記載されている内容を整理してわかりやすく解説します。

「やるべきことを知らなかった、出来ていなかった」という事態に陥ることのないように、理解を深めましょう。

責務の言葉の意味を調べてみると

責務 責任と義務。また、果たさなければならない務め。引用:デジタル大辞泉

上記のように記載されています。

簡単に言えば責務とは、やらなければいけないことと解釈できます。

では最初に管理者の責務についてみていきましょう。

(管理者の責務)
第六十六条 指定療養介護事業所の管理者は、当該指定療養介護事業所の従業者及び業務の管理その他の管理を一元的に行わなければならない。
2 指定療養介護事業所の管理者は、当該指定療養介護事業所の従業者にこの章の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うものとする。
引用:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準

しっかりと現状把握をしつつ一元的、つまりたくさんあることを1つにまとめて管理しなければいけない。

さらにスタッフが規程を守るために必要な指示を出さないといけないということが記載されています。

ちなみに「この章の規定」と記載されている部分については、主に基準第3章第4節(運営に関する基準)を示しています。

基準第3章第4節(運営に関する基準)に記載されている内容を項目だけ抜粋してみると

  • 契約支給量の報告等
  • サービス提供の記録
  • 利用者負担額等の受領
  • 利用者負担額に係る管理
  • 介護給付費の額に係る通知等
  • 指定療育介護の取り扱い方針
  • 療育介護計画の作成等
  • サービス管理責任者の責務
  • 相談及び援助
  • 機能訓練
  • 看護及び医学的管理の下における介護
  • その他のサービスの提供
  • 緊急時等の対応
  • 支給決定障害者に関する市町村への通知
  • 管理者の責務
  • 運営規程
  • 勤務体制の確保等
  • 定員の遵守
  • 非常災害対策
  • 衛生管理等
  • 掲示
  • 地域との連携
  • 記録の整備

ざっとこれだけの内容が盛り込まれています。

すごい量ですよね!!

管理者はサビ管や児発管と違って、研修を受講する必要が無いことで軽く見られてしまうこともあるかと思います。

しかし、実際にはスタッフの勤務状況も含め事業所全体を管理する役割ですので、求められることは多いです。

続いてサービス管理責任者の責務を確認していましょう。

(サービス管理責任者の責務)
第五十九条 サービス管理責任者は、前条に規定する業務のほか、次に掲げる業務を行うものとする。
一 利用申込者の利用に際し、その者に係る指定障害福祉サービス事業者等に対する照会等により、その者の心身の状況、当該指定療養介護事業所以外における指定障害福祉サービス等の利用状況等を把握すること。
二 利用者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、利用者が自立した日常生活を営むことができるよう定期的に検討するとともに、自立した日常生活を営むことができると認められる利用者に対し、必要な支援を行うこと。
三 他の従業者に対する技術指導及び助言を行うこと。
2 サービス管理責任者は、業務を行うに当たっては、利用者の自己決定の尊重を原則とした上で、利用者が自ら意思を決定することに困難を抱える場合には、適切に利用者への意思決定の支援が行われるよう努めなければならない。
引用:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準

責務として示されている内容をまとめると

サービスの利用を申し込んできた利用者の環境面や身体の状況、さらに他の福祉サービスを利用しているかを把握する。

利用者が自立した生活が出来るかどうか定期的に確認して、自立に向けた支援をする。

同じ事業所のスタッフに助言指導を行う

利用者の自己決定の尊重を原則として、意思決定支援を行うよう努める

という内容になります。

尚、「前条に規定する業務のほか、次に掲げる業務~」と記載されている前条に規定する業務というのは個別支援計画の作成のことです。

個別支援計画については後ほど解説させていただきます。

続いて児童発達支援管理責任者の責務についてみてみましょう。

(児童発達支援管理責任者の責務)
第二十八条 児童発達支援管理責任者は、前条に規定する業務のほか、次に掲げる業務を行うものとする。
一 次条に規定する相談及び援助を行うこと。
二 他の従業者に対する技術指導及び助言を行うこと。
2 児童発達支援管理責任者は、業務を行うに当たっては、障害児が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、障害児及び通所給付決定保護者の意思をできる限り尊重するよう努めなければならない。

(相談及び援助)
第二十九条 指定児童発達支援事業者は、常に障害児の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、障害児又はその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行わなければならない。
引用:児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準

基本的に求められる内容はサビ管と大きく変わりませんが、対象が児童ということで自立についての表記が無い点が違いと言えるかと思います。

次条(第29条)に定められている相談及び援助においても、適切な対応と必要な援助を行うことが記載されています。

意思の尊重についてはサビ管と合わせて強く求められる部分です。

尚、「前条に規定する業務のほか、次に掲げる業務~」と記載されている前条に規定する業務というのはサビ管と同様で個別支援計画の作成のことです。

個別支援計画については次に解説させていただきます。

※支援計画については、児童発達支援計画等いろいろな表記はありますが、この記事では個別支援計画に統一させていただきます。

個別支援計画作成時のサビ管・児発管の役割についてはそれぞれ

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」 第58条

児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」 第27条

に記載されています。

多少の内容の違いはありますがポイントを押さえて解説させていただきます

①個別支援会議の開催

【障害児】

障害児の意見が尊重されその最善の利益が優先して考慮される体制を確保した上で会議を開催。

児童の年齢や発達の程度に応じて障害児本人や保護者の意見を聞くことが求められる。(会議への参加や事前の意見聴取など)

意見は言葉だけでなく、身体の動きや表情、発声なども観察して意見を尊重する。

【障害者】

会議を開催して、利用者の希望する生活及びサービスに対する移行等を改めて確認する。

個別支援会議は意思決定支援ガイドラインにおける意思決定支援会議と一体的に行ってもOK。別に開催しても構わない

個別支援会議は原則利用者の同席が必要。利用者の事情で同席が極めて困難な場合はオンラインを活用したり、同席以外の方法で希望する生活やサービスに対する移行等を改めて確認必要。

②計画の原案の説明・同意

原案の内容を利用者(障害児)と保護者に説明して同意を得る

③計画の交付

支給決定保護者及び保護者が利用する相談支援事業所へ計画を交付。相談支援が開催するサービス担当者会議等にも参加して、相互連携を図るよう努める。

④モニタリング

計画を実施しつつ、現状を把握して計画の見直しについて検討を行う。

【障害児】計画の見直しのための会議の開催、利用者・保護者の同意を得る。 

【障害者】モニタリング結果を相互に交付する、もしくは会議を合同で開催するなど相談支援事業所との連携強化を図る。

個別支援計画の作成について基準に記載されている内容はおおむね上記となりますが、計画の作成には

障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン

児童発達支援ガイドライン

これらガイドラインの内容も理解した上で作成を行う必要があります。

合わせて理解を深めていただくことが大切です。

障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドラインについては⇩こちらで解説しています。

児童発達支援ガイドラインについては⇩こちらで解説しています。

管理者・児発管・サビ管の責務について基準を基に解説いたしました。

福祉制度も変化していく中で、求められる役割も増えています。

基準だけを理解していれば十分ということではありませんが、根本となる基準の理解は必要です。

目の前のこどもや利用者へ適切な支援を行うために、基準をはじめそれぞれに求められる役割の理解を深めていきましょう。

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