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考えよう!こどもの居場所 「こどもの居場所づくりに関する指針」をわかりやすく解説

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コンセプト
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令和5年12月に出された「こどもの居場所づくりに関する指針

地域コミュニティの変化や、価値観の多様化など様々な変化がある中で、孤独、孤立しないためにもこどもが生きていくうえで居場所があることは不可欠。

様々な地域で居場所づくりが実践されている中で、国としての考え方を示すためにこの指針は作られました

この記事では指針の内容をわかりやすく解説します。

こどもの居場所に関係する方には知っておいていただきたい内容です。

また、こどもの居場所について考える際にはこどもの権利に関しての理解が大切です。これらの記事も合わせてご覧ください。

しょーなり
しょーなり

なお指針においては「こども・若者」と記載されている箇所も多いですが、指針において心身の発達の過程にある「こども」を対象とする居場所づくりを中心としているため、この記事では「こども・若者」という表記は割愛して「こども」に統一させていただきます。

こどもの居場所とは何を指すのでしょう?

こどもが過ごす場所、時間、人との関係性全てが居場所になりえます。

居場所とは物理的な「場」だけでなく遊びやオンライン空間といった多様な形態があり得る、主観的側面を含んだ概念です。

つまり、こどもが居場所と感じた場所や形態がこどもの居場所ということになります。

こどもの居場所の特徴7つをご紹介します。

本人が居場所と感じるかどうかというきわめて個人的なものであり、人間関係や心理的な変化で昨日までの居場所が今日は違うということもあり得ます。

居場所においてはその場において他者に受け入れてもらえるかどうかが大きいです。他者との交流を絶てる場が居場所と感じることもあります。

居心地が良い場でも、それがどこの道に面しているのか?どういった方々が住んでいる地域なのかによって立ち寄る人はかわります。またインターネットが普及したことでオンライン空間が居場所となるように、今後の技術によって新しい居場所が出来ることも考えられます。

居場所は何かをすることを通じて居場所と感じるものと、そこに居ることそのものが居場所になるものがあります。

学校は単に学ぶだけの場ではなく、一日の大半を多くの他者と過ごす場所としてこどもの居場所になっています。地方部ではセーフティーネットの役割となっていることもあります。

こどもや若者が居場所づくりに参画することで、支援に関わる彼らの成長につながると共に、自らの居場所になることもあります。

こどもの居場所づくりが、担い手にとっても居場所になり地域における新たな交流やつながりが得られる場として機能する場合もあります。

こどもに限らず高齢者等も含めて地域住民が交流する場として広く活用されている居場所もあります。

こどものための居場所なのに、居場所づくりを進めるのはおとな。

そういった仕組みづくりは、双方の隔たりが生じることもあります。

こどもの居場所づくりには、何よりこどもの声を聴きながら進めることが重要であるということを理解することが必要です。

また、こどもの居場所における対象者へのアプローチとして以下の2種類があります。

ユニバーサル/ポピュレーションアプローチ

⇒こども同士や幅広い地域住民間の交流、つながりを提供するという機能

ターゲット/ハイリスクアプローチ

⇒主として個別ニーズに対応したきめ細やかな(場合によっては緊急の)支援

これら2つの機能が1つの居場所で一体になって提供されている場合もあります。

上記4つの基本的な視点におけるポイントを解説させていただきますが、まずは各視点に共通する事項をご紹介します。

こどもが居場所に求める要素として「居たい」「行きたい」「やってみたい」という3点の視点が重要であることがヒアリング結果から現れています。

先ほども触れたようにこどもの居場所づくりは、活用するのはこどもであるのに対して作るのは主におとなであることで生まれる隔たりが課題となり得ます。

そのためこどもの意見をしっかりと聞いて、こどもの視点を大切にする居場所づくりが大切です。

前提として、こどもは権利の主体でありこどもの居場所においてこどもの権利が守られることは当然です。

居場所づくりに関わるおとながこどもの権利について理解して守っていくために、こどもの権利について学ぶ機会も重要です。

こどもの居場所には児童館のように地方公共団体が主体になっているものもあれば、こども食堂のように民間団体が主体になっているものもあります。

これまでの役割も大切にしながらも、特別なニーズのあるこども等には公的に関与の下で支援を提供するなど官民が連携・協働して取り組むことが大切です。

アンケート調査やヒアリング結果を見ると、居場所が欲しいものの居場所が無いと感じているこどもの存在が明らかとなっており、こどもの居場所が足りていないと思われます。

地域における居場所の実態を把握することがまず必要です。

供給側⇒居場所としての資源はどのくらいあるか、はたしている機能、実施状況 等

需要側⇒こどもが居場所についてどんなニーズがあるか、なぜニーズを満たせないか 等

供給と需要の両面から実態を把握しましょう

0から作るより、今あるものを活用することでリスクや手間を少なく居場所を作ることが出来ます。

公民館や図書館、スポーツ少年団などの活用も考えられますが、ボランティアなどの地域人材も重要な地域資源です。

地域の資源を柔軟に活用していくことが求められます。

こどもの居場所を作っていくためには、担い手となる人材が「居場所づくりに関わってみよう」と思えるような機会の提供や環境整備が重要です。

例として以下が挙げられます。

  • 居場所づくりの立ち上げ・運営のノウハウをまとめる
  • 関係者のネットワークづくりを進める
  • 相談窓口の開設

また、担い手は必ずしもおとなに限ったものではありません。

居場所を感じた経験からこども自身がつくりたいと思うこともあります。

こどもの想いに寄り添って支援することでこどもの居場所が広がることに繋がります。

せっかく居場所と感じられたのに、その居場所が失われることはこどもにとって辛いことです。

そうならないためには、居場所が維持・継続されるように進めていかなければなりません。

居場所を担う者が事業を継続するための、人的・物的・経済的支援や組織経営に関するノウハウの提供も必要になります。

そうしたサポートを行う中間支援組織の役割も重要になるでしょう。

災害時などの非常時こそ、こどもの声を聴き、こどもの権利を守ることが必要です。

こどもの心の回復の観点からも、災害時においてこどもが居場所を持って遊びの機会が確保されるよう配慮することが大切です。

こどもの居場所が作られても、こどもがアクセスできなければ意味はありません。

居場所づくりはその場を作るだけでなく、アクセスも含めて考えることが必要です。

地域全体として地域のどこにどんな種類の場があるかを把握して発信することが大切。

情報をまとめたマップやポータルサイトなどに可視化して検索できるようにすることも有効です。

こどもの興味や関心、文化に即した居場所づくりは利用しやすさを高めることに繋がります。

Wi-Fiがあることで利用につながるという意見もありました。

「支援」が前面に出た居場所づくりではこどもが来にくくなってしまうことも考えられます。

「やってみたい事があって通っていたら、いつの間にか居場所になっていた。」そんな流れから支援につながることもあります。

またこどもの周りの方(学校、保護者、地域住民)から進められて利用することも考えられるため、つなぐ人や機関の役割も大切です。

課題や事情を抱えたこどもは自分から居場所を見つけ、誰かに助けを求めることが難しい状況にあることが想定されます。

対面による居場所だけでなく、オンラインの居場所は特別なニーズを持つこどもや地域を避けるこどもにとってつながりやすいこともあります。

義務教育の終了などライフステージの変化が居場所を失うことにつながることもあるので、居場所の担い手や行政間の連携が重要です。

社会は変化していく中で、こどもの居場所を維持・継続していくためには耐えることのない取り組みが必要です。

居場所はこどもが安心して過ごせる場所であり、心身の安全が確保された場所でなければなりません。

どのような場所を安全・安心と感じるかはこどもによっても変わりますが、少なくともこどもが不安や恐怖を感じることが無いようにすることが必要です。

その際には障害があるこどもや、刺激に敏感なこどもにも配慮した環境設定も求められます。

居場所のルールやイベントの企画などを子どもと一緒に考えることは、こども自らが権利の主体であることを実感してこどもの権利を守るという観点からも大切です。

多様なこどもがそれらに参加することが、多様なニーズに応じた居場所づくりにつながります。

こどもの居場所づくりにおいて、屋内外問わず遊びは重要な要素です。

一方「どう過ごせるか」と同じくらい「誰と過ごせるか」といった人との関係性も同じくらい重要です。

やってみたいと感じる体験の機会と合わせて、自分を受け入れてくれて一緒に取り組んでくれるような人との関係性が大切です。

地域の特性や対象とするこどもの違いによって居場所にはそれぞれの特色があります。

それぞれの特色を認めながら地域全体でこどもの居場所づくりを推進するために、居場所同士の連携と協働が必要不可欠です。

連携・協働はそれぞれの居場所同士に限定したものではなく、居場所の担い手や行政を含めて、対話を促進して連携・協働を進める役割を担う人材の育成が求められます。

オンラインゲームやSNSなどデジタル空間を居場所と感じる子どもも多くなっています。

また、コロナが生活に大きな影響を与えたように社会や環境の変化によってニーズは変化し、居場所と感じる場所も変わります。

変化を捉えて、居場所の在り方を常に見直していくことが必要になります。

現在各地域でいろいろな居場所づくりの取組が進められていますが、それらの取り組みを検証していくことは、居場所の量と質の両面の充実を図る上で大切です。

とはいえ「良い居場所」と判断するための指標を作ることは難しいので、どのように行っていくかは今後しっかりと考えていかなければなりません。

指標についてはこどもの意見を聞きつつ、この指針の理念や性質を踏まえた上で丁寧に作成することが求められます。同時に居場所づくりの多様性や創造性を担保しつつ、継続的に振り返るために活用できるよう検討していくことが必要になります。

それぞれの立場における役割が示されています。

民間団体・機関指針に掲げられた理念等を踏まえ、地域の実情に応じた取り組みを関係者と連携しつつ実施。

地域住民こどもの居場所づくりの取り組みに関心と理解を深めて、自ら参加するとともにこどもの見守りなど積極的な役割を期待する。

学校教育機関としての役割だけでなく、セーフティネットになづなどの役割についての認識を深めていくことが重要。

企業社会的責任を果たす観点から食材や活動プログラムの提供、運営ノウハウや技術支援など積極的な役割を期待する。

市町村管内の状況把握及び関係者と連携して、質と量の両面からこどもの居場所づくりを計画的に推進する。

都道府県市町村の取り組みを支えつつ、管内の市町村間や都道府県間の連携を図って広域的なこどもの居場所づくりの環境整備を行う。

市町村・都道府県の取り組みを支えるとともに、地方公共団体や民間団体・期間とも連携して指針の周知啓発を行う。

指針に示されている内容を進めるために、体制づくりが求められます。

▶国における推進体制
こども家庭庁が取り組みを中心的に担って、政府一体となってこどもの居場所づくりを強力に推進する。
▶地方公共団体における推進体制
福祉部門と教育部門との連携は非常に重要。こどもの居場所づくりにおいて都道府県や市町村のこども計画に位置付けて計画的に推進していくことが必要。
▶施策の実施状況等の検証・評価
指針に基づいたこどもの居場所づくりに関する施策の実施状況や効果等を検証・評価して見直しや改善に努めることが必要。国としても検証の方法を十分に検討した上で、評価指標等を設定して進捗を定期的にフォローアップする。
▶指針の見直し
こども大綱とも連携を図る観点から、おおむね5年後を目途に見直しを行う。

こども居場所とは物理的な「場」だけでなく遊びやオンライン空間といった多様な形態があり得る、主観的側面を含んだ概念です。

こどもの居場所づくりを通じた目指したい未来は、どんな環境に生まれ育ったとしても、誰一人取り残さず、全てのこどもが自分の居場所を持ち、健やかな成長や身体的・精神的・社会的に将来にわたって幸せな状態であることです。

こどもが安心して過ごせる居場所を見つけられるよう、こどもの意見を丁寧に聞いて、地域のみんなで考えていきましょう。

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