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「はじめの100か月の育ちビジョン」わかりやすく解説

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制度
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こども基本法が作られ、日本はこどもに関する取り組みや政策を社会の真ん中に据えていく「こどもまんなか社会」の実現を目指しています。

しかしまだまだ、こどもの育ちに対する取り組みは充分とは言えない現状です。

こども家庭審議会で幼児期までのこどもの育ちについて着目した議論がされ、共有したい理念や基本的な考え方がまとめられて令和5年12月に閣議決定されました。

それが「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン(はじめの100か月の育ちビジョン)」です。

こどもや家族を支援する立場の方だけでなく、多くの方に理解いただきたい内容になっています。

これからの将来を担うこども達が安心して健やかに育つために、ビジョンの理解から始めてみませんか?

こども基本法については⇩こちらで解説しています。合わせてご覧ください。

はじめの100か月は、生まれた月によっても変わりますがおおむね妊娠から小学校1年生までの時期です。

なぜこの時期に注目するかと言うと、まず乳幼児期は脳発達の感受性期と言われるなど環境の影響を受けやすい時期です。

また、児童虐待による死亡事例も約半数は0~2歳という現状もあります。

さらに生まれてから小学校入学までは、多くの節目が連続する時期でもあり、その時期の育ちを支えるためには「切れ目のない支援」が必要となります。

生まれるとき・幼稚園などに入るとき・学校に入るときなどそれぞれにこどもの育ちに関わる方が、この時期の重要性と基本的な考え方を共有して理解することで、それぞれの支援が「点」ではなく「面」になることが重要です。

育ちビジョンの目的は以下のように記載されています。

全てのこどもの誕生前から幼児期までの「はじめの100か月」から生涯にわたるウェルビーイング向上 
引用:幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン (はじめの100か月の育ちビジョン)

ビジョンはこども基本法の目的と理念にのっとって、こどもの誕生前から幼児期までの育ちを通じて切れ目なく、こどもの心身の健やかな育ちを保障する観点で作られたものです。

一方、ウェルビーイングについては下記のように示されています。

ウェルビーイングは、身体的・精神的・社会的な全ての面を一体的に捉えた観点(バイオサイコソーシャルの観点)での幸福を指す概念 
引用:幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン (はじめの100か月の育ちビジョン)

バイオサイコソーシャルについて説明を加えると、

バイオ⇦身体的(健康・遺伝など)

サイコ⇦精神的(感情・ストレスなど)

ソーシャル⇦社会的(家族や地域、経済状況など)

これら3つの側面から総合的に見ることです。

つまり、こどもの状態はバイオ(身体的)、サイコ(精神的)、ソーシャル(社会的)それぞれの要素の相互作用として現れるものなので、どれかに限定して見るということではなく一体的に見るという視点が大切になります。

育ちビジョンでは5つのビジョンが柱となっています。

(1)こどもの権利と尊厳を守る
(2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める
(3)「こどもの誕生前」から切れ目なく育ちを支える
(4)保護者・養育者のウェルビーイングと成長の支援・応援をする
(5)こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増す

1つ1つご紹介していきます。

こどもの育ちを支えるためには、なによりこどもの権利と尊厳が守られなければなりません。

こどもの権利条約においても、

「差別の禁止」

「生命、生存及び発達に対する権利」

「児童の意見の尊重」

「児童の最善の利益」

上記4つがこどものことを考えるときの前提として示されています。

これらが前提となって初めて、こどもの育ちの支援を進めていくことが出来ます。

こどもの権利条約については⇩こちらも合わせてご覧ください。

この時期に大切なこととして、

  • 「アタッチメント(愛着)」の形成
  • 遊びと体験

が挙げられています。

アタッチメントはこどもが不安な時などに身近な大人(愛着対象)が、こどもの気持ちを受け止めて寄り添うことで安心感が生まれる経験を繰り返して得られるものです。

アタッチメントの形成は生きる力につながっていきます。

また、こどもは人と環境との出会いの中で「遊びと体験」を通して外の世界に挑戦していきます。

こどもが夢中になる「遊び」そして、自然に触れたりいろいろな人に会うことなどで得られる「体験」がこどもの成長には必要です。
つまりアタッチメントという安心の土台があり、その上で「遊びと体験」という挑戦を通じてこどものウェルビーイングを高めていくということです。

はじめの100か月のあいだにはいくつかの節目が訪れます。

その節目ごとにこどもの育ちを支える方は変化していきますが、ウェルビーイングの向上にはその支援のつながりが欠かせません。

こどもの誕生前から切れ目なく、つまり母子保健分野とこども家庭福祉分野がしっかりと手を取り合い、共通理解の下にこどもの育ちを支えていくことが必要です。

また、はじめの100か月が過ぎても切れ目ない支援の重要性は変わりません。

そのためにも医療・保健・教育・福祉・療育などこどもの成長にかかわる分野の関係機関がネットワークを構築することが大切です。

保護者・養育者の存在は、こどもの育ちに強く影響を与えることは言うまでもありません。

しかし、だれでも最初は初めての子育てであり、たくさんの不安の中で子どもを育てます。

さらに、社会的に地域住民や血縁者との関係性の希薄化など、子育てを取り巻く環境も大きく変化しています。

保護者・養育者が子育ての不安や負担を自分達だけで背負わず、頼ったり相談できるような支援と応援が必要です。

保護者・養育者同士のネットワーク作りを行うなど、こどもと保護者・養育者が一緒に育つ社会が求められます

こどものウェルビーイング向上には、保護者・養育者のウェルビーイング向上が不可欠です。

こどもの育ちに関係するのは保護者や養育者だけでなく、さらには保健師や幼稚園の先生・学校の先生・福祉事業所等のスタッフだけでもありません。

こどもの育ちには社会全体が関係しています

それらを育ちビジョンの中では「こどもまんなかチャート」というイメージ図にまとめています。

出典:幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン(はじめの 100 か月の育ちビジョン)

このビジョンが実現していくよう、社会全体のすべての人の役割がチャートに整理して示されています。

つまりここに示されているすべての人に、この「はじめの100か月の育ちビジョン」を理解していただきたいということです。

ビジョンの別紙2にはビジョンの実現に向けた役割がチャートに示されている人や立場ごとに記載されています。

「はじめの100か月の育ちビジョン」についてご紹介しました。

こどもの育ちに関係がない人はいません。

こども達が健やかに育つ社会であってほしいという願いは、全ての人に共通するのではないでしょうか?

こどもの育ちについて共通理解を持ち、ビジョンの実現を進めていきましょう。

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