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自分で伝えることは難しいけど、知ってほしいことはいっぱい!作ってみよう! サポートブック

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サポートブックについてご存知でしょうか?

今回は、子どもの成長を記録し振り返るためのツールとして、そして関係機関のネットワークを構築するためのツールとして活用できる、サポートブックについてわかりやすく解説していきたいと思います。

サポートブックって何?

そもそもサポートブックって何?ということですが、簡単に言うと「障害を持った方の個性を知ってもらうためにいろいろな情報を記載したファイル」です。

長く使っていける母子手帳みたいなイメージですかね。

サポートブックはなんで必要?

母子手帳は皆さんご存知だと思います。母子手帳は妊娠期から乳幼児期のデリケートな時期の健康等重要な情報が管理しやすくしてあるツールですね。

しょーなり
しょーなり

ちなみに母子手帳は、母子保健法で様式が定められています。各市町村で作っているのでオリジナルな部分がプラスされているのですが、基本的な部分は省令で決まっています。

一般的には小さいときは保護者が母子手帳で健康状態や発達状態を記録して、医師も保護者もひと目見てわかるような管理をしていき、だんだん成長していく中でコミュニケーションを学び、自分のことは自分で話せるようになり、自分のことを他者に知ってもらうスキルを身につけていきます。

しかし、障害を持った方はコミュニケーション等に困難さを抱えているため自分で自分のことを正確に他者に伝えることが難しいです。

さらに、障害を持つゆえに社会の中で様々な配慮が必要となり、そういった配慮の必要性を周りの人に知ってもらう必要もあります。

自分で伝えることは難しいけど、みんなに知ってほしいことはいっぱいある。

だからサポートブックという子どもについての情報をまとめたものを作って、周りの方に知ってもらいやすくする必要があるんです。

サポートブックのメリット

子どもを理解してもらいやすくなる

なんと言っても、情報を理解してもらいやすくなるのがサポートブックについてのメリットです

サポートブックの様式は全国で統一されているわけではなく、各県や市町村などで作られていたりします。

サポートブックに掲載する情報の例

・診断名

・生育歴

・利用している福祉サービス(今までの経過)

・健康の情報(主治医等医療面も含む)

・コミュニケーション手段

・得意なこと

・苦手なこと

上記のように、この情報を周りの人に知ってほしいという内容をサポートブックに入れて、子どもについて理解を深めてもらいます。

同じことを何度も説明する必要がなくなる

障害を持った方は社会の中でいろいろな困難を抱えており、配慮が必要なこともありますが、それを自分で他者に伝えることも難しいことが多いです。

その場合主に保護者が子どもの情報を周りの人に伝えていくのですが、場合によってはそれを何度も繰り返す必要があります。

幼稚園の先生に、相談支援員に、行政職員に、保健師に、児童発達支援事業書のスタッフに・・・

かなり大変です。

サポートブックがあれば、基本的な情報はそれを見て貰えれば理解してもらえますし、プラスαの情報や要望を伝えるだけで済みます。

子どもの成長を振り返ることが出来る

サポートブックは成長の記録です。成長を記録して改めて見てみると、その時は気づけなかった成長に気づくことが出来ます。

「一言も話せなかったのに、この時期からだんだんと単語は話せるようになったな」

「少しの時間も座って過ごせなかったのに、座って机に向かうことが出来てきたな」

とか、成長の段階を振り返ることが出来ます。

障害を持つ子どもの親は、他の子どもと比べて自分の子どもは出来ないことが目立ってしまい、悲観してしまうことも多いです。しかし、どんな子どもでも必ず成長します。

それがどんなにゆっくりでも、成長しない子どもはいません。

少しでも、ゆっくりでも子どもの成長こそが親の喜びであり、それに気づきやすくなるサポートブックは有効なツールだと思います

関係機関の連携ツールになる

障害を持つ子どもの支援は、教育だけ、保育だけ、福祉だけでは成り立ちません。1人の子どもを取り囲む関係機関が、ネットワークを構築して共通認識を持ちながら子どもを支援していくことが必要です。

サポートブックはネットワークの構築にも活用できます。

例えば、幼稚園に通いながら児童発達支援を利用しているケースで考えると、サポートブックには使っている幼稚園の名前、クラスの名前、担任の先生の名前が書いてあります。児童発達支援のスタッフはサポートブックを見れば、幼稚園の様子を知りたい時に誰に連絡をしたらいいかひと目で分かります。

また、学校に通って放課後等デイサービスを利用しているケースなら、サポートブックには放課後等デイサービスで作った個別支援計画が載っており、学校の先生はサポートブックを見たら放課後等デイサービスでその子どもにどんな支援方針を持っているかを理解でき、学校の個別の教育支援計画作成に活かすことも出来ます。

上記のように、子どもを取り囲む関係機関がお互いの状況や情報を共有するツールにもなりえます

サポートブックのデメリット

解説したように様々なメリットがあるサポートブックですが、全国的にもまだまだ活用しきれているとは言えません。もちろんサポートブックにもデメリットがあります。

作る、更新するのが大変

なんと言っても最大のデメリットは大変ことです。基本的に保護者が作るものですが、サポートブックは子どもを理解してもらうためのツールなので、一度書いたら終わりではなく更新していく必要があります。

たくさんの情報を最初に書くのも大変ですが、この更新作業がさらに大変です。

障害を持つ子どもの親は日常の中でも大変なことが多いです。子どもを育てるだけでも大変なのに、いろいろな配慮をしたり、生活しやすく工夫をしたり、学校や福祉サービスと蜜に連絡も取らないといけないしで、日々忙しいのにさらにサポートブックを作る?

そんなの無理!

ということも多いです。実際僕も作れていません・・・

個人情報の取扱い

子どものことを理解してもらうためには様々な情報を乗せる必要があります。さらに手間をかけずに作るためには、福祉サービスで作る個別支援計画、病院の診断書、学校の個別の教育支援計画などを直接挟み込むなどすると楽です。

しかし理解してもらいやすく情報を入れれば入れるほど、その情報はどこまで知ってもらってもいいのか?見せても問題ないのか?など情報の取り扱いに迷う場面も出てきます。

知ってほしい大事な情報だからこそ、不用意に広げたくない情報でもあるわけですね。

認知が低い

いくら便利なツールだとしても、正しく認知されていないとツールとしての役割を果たすことは出来ません。特にそれを見せる先の行政や福祉サービス、教育、保育が、サポートブックについてきちんと理解していないと、せっかく作っていったサポートブックを見せても、

「なんですかこれ?そんなのはいいから、この書類に書いてください」

で終わってしまうことになります。

頑張って作ったサポートブックがそんな扱われ方をしたら、「もう作らん!」となりますよね。

こんなサポートブックだったら

サポートブックについては以前から必要性が検討され、それぞれの地域などで様式が作られ、配布されたりしています。勉強会活用できている地域もあれば、様式があるだけで活用しきれていない地域も多いです。

やはり保護者の負担が大きく、作っても継続できないことも多いのが現状です。

そこで、僕なりにこんなサポートブックだったらという形を考えてみました。

①アプリ

この時代に手書きはありえない。アプリで情報を管理できる。スマホ・PCどちらも可。

②画像や動画も記録

子どもの画像をクラウドに保存して、自動的にアルバムを作ってくれるアプリもありますが、そういったアプリみたいに、写真や動画で子どもの様子を残すと自動的にサポートブックに記録される。主治医や福祉サービスの職員に家庭での子どもの様子を伝える際にも、動画のほうが伝えやすい。個別支援計画や診断書もスマホカメラでスキャンして保存できる。

③情報を選んで共有できる

リンクを送るなどして、関係機関に共有できる。関係機関に共有する際に、この情報を見せて、この情報は見せない等が選べる。

④タグなどをつけて記録することで、自動的に様式に変換

記録する際にタグなどをつけて少し整理するだけで、生育歴や得意なことなどにまとめて書式化してくれる。さらにその書式が、幼稚園を使う際にの子どもの資料になり、相談支援や福祉サービスのアセスメントになり、就学時の学校に出す資料に出来る。

思いつく、こんなサポートブックだったら便利だろうな・・・というイメージを書き連ねて見ました。あくまで僕のイメージですが、こんなアプリ誰かが作ってくれないかなと願っています。

まとめ

サポートブックは、子どもの成長の記録として、関係機関のネットワーク構築のために有効的なツールです。しかしそのツールは現時点で作ることに負担が大きく、作っても関係機関が正しく理解されていないと、活用することが出来ません。

そのためにもまずは関係機関が必要性を正しく理解し、保護者がサポートブックを作ったときに得られるメリットを出来る限り大きくするということが大事です。

しょーなり
しょーなり

目の前の子どもを正しく理解するために、保護者の負担を減らすために、そして子どもを取り囲む関係機関がネットワークを構築して子どもの成長を支援していけるように、サポートブックがより良く活用されることを願います。

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