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令和2年度障害者福祉施設従事者等による障害者虐待の対応状況 令和元年度データと比較・分析

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コンセプト
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令和2年度都道府県・市町村における障害者虐待事例への対応状況等(調査結果)がようやく令和4年3月29日厚労省のHPに公表されました。

これは厚生労働省が市町村の障害者虐待の対応状況を取りまとめ、毎年公表しているものです。

結果は「養護者による虐待」「障害者福祉施設従事者等による虐待」「使用者による虐待」と3つに分かれていますが、この記事では障害者福祉施設従事者等による虐待に絞って解説させていただきます。

令和2年度障害者福祉施設従事者等による障害者虐待対応調査の概要

・虐待相談・通報件数~4年連続増加

・虐待判断件数~令和元年度より増加

・虐待の発生要因~教育・知識・介護技術等に関する問題が増加

・障害者支援施設~虐待数が減少

この記事では上記概要について、より深めていくとともに、令和元年度のデータとも比較しながら分析していきたいと思います。

障害者支援に関わる方は、是非この記事を見て現状を理解いただければと思います。

また、令和4年度の障害者福祉施設従事者等による障害者虐待データは↓こちらで解説しています。合わせてごらんください。

令和3年度の障害者福祉施設従事者等による障害者虐待データは↓こちらで解説しています。

福祉事業所における障害者虐待の要因と対策については↓こちらをご覧ください。

1.虐待認定件数等の推移

出典:【参考資料2】障害者虐待対応状況調査 経年グラフ

令和元年度から比較すると、「相談通報件数」・「虐待と判断された件数」の両方とも増加しています。

相談通報件数は4年連続の増加

虐待と認められた件数は平成24年度から6年連続で増加していた中で令和元年度にはようやく少し減少しましたが、令和2年度は再び増加となってしまいました。

非虐待者数も過去最多となっています。

平成24年10月に障害者虐待防止法が施行されてから、若干減少するときもあるとはいえ基本的には右肩上がりに増加しています。

本来、障害がある方の権利を守るべき福祉事業所において虐待が増加してしまっていることは非常に残念であり、さらなる対策が求められます。

2.虐待行為の内容等について

出典:【参考資料4】令和2年度障害者虐待対応状況調査〈障害者福祉施設従事者等による虐待〉

この図は虐待対応についての全体像と各種データを示したものになります。

数値の中で私が注目するポイントを令和元年度データと比較しながら解説したいと思います。

(1)虐待の発生要因

毎回私が注目しているポイントは「市区町村等職員が判断した虐待の発生要因」です。

これは虐待発生後の調査等を行った市区町村等の職員が、どういった要因で虐待が起こったかを考えたものです。

基本的にこれまでのデータを見ると

・教育、知識、介護技術等に関する問題

・職員のストレスや感情コントロールの問題

・倫理観や理念の欠如

上記の3つの要因が常に高くなっていますが、

令和2年度のデータを見ると

  教育・知識・介護技術等に関する問題 

      令和元年 59.8% → 令和2年 71.0%

と、令和元年度より10%以上増加し、他の2つの要因と比べると頭一つ抜き出た形となっています。

これを見ると、障害がある方の課題と思われる行動についてどのように対応したらいいかがわからず、虐待につながってしまうことが多いと思われます。

しょーなり
しょーなり

具体的な支援方法についての学びが足りていないことは、私たち支援者は危機感を感じなければいけないと思います。

支援の質を向上させるためには「統一した支援」が必要です。統一した支援についてはこちら↓を参照ください。

  虐待を助長する組織風土や職員間の関係性の悪さ 

      令和元年 16.2%→令和2年 22.6%

上記項目より数値上は少ないですが、令和元年度より上昇した項目です。

お互いに指摘しあえないチーム関係は虐待が生まれる要因になります。

障害がある方の支援は迷いの連続です。支援はチームで行うことを前提として、お互いを高めていけるチーム作りが必要だと思います。

(2)障がい者虐待が認められた事業所種別

令和元年度
件数(構成割合)
令和2年度
件数(構成割合)
障害者支援施設160件(29.3%)131件(20.7%)
短期入所20件(3.7%)11件(1.7%)
就労継続支援B型47件(8.6%)67件(10.6%)
共同生活援助90件(16.5%)133件(21.0%)
放課後等デイサービス64件(11.7%)92件(14.6%)

令和元年度と比較して件数など数値の増減が比較的多い事業種別をピックアップしてみました。

障害者入所施設のような生活型の施設は外から見られにくく、関係性も限られたものになりがちなので、虐待が起こる可能性が比較的高い事業種別です。

そういった中、障害者支援施設で虐待の数値が減っているということは、虐待リスクの高さを踏まえて行った改善の取り組みの結果が表れているのかと思います。

このデータだけで見えることは少ないですが、自分たちが行っている事業はどういった虐待のリスクがあるのかをきちんと理解したうえで、事業所ごとに虐待防止の対策に努めていくことが必要だと思います。

まとめ

令和2年度の都道府県・市町村における障害者虐待事例への対応状況等(調査結果)についてポイントを絞って、令和元年度データと比べながら解説させていただきました。

毎年出ているこのデータを継続的に確認していくことで、障害者虐待の現状を理解することができます。

状況を理解して、自分たちの支援を見直しましょう。

虐待を防ぐための「障害者福祉施設等における障害者虐待の防止と対応の手引き」は↓こちらで解説しています。

身体拘束については↓こちらで解説しています。

身体拘束の実態については↓こちらで解説しています。

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