「この言葉聞いたことはあるけど、どんな意味だっけ」なんてことはありませんか?
福祉に関する制度は変化し続け、求められることも増えています。
新しい制度、考え方それらは福祉サービスを提供するうえで理解すべきことですが、多忙な業務に追われる中で常にアンテナを張って知識をインプットしていく作業は大変なことでもあります。
この記事では、障害福祉の支援者が知っておくべき用語をいくつか取り上げて簡潔に説明しています。
障害福祉の仕事に必要な用語の意味を確認して、より良い支援に繋げましょう。
- インクルージョン
- ウェルビーイング
- バイオサイコソーシャル
- エンパワメント
- スーパービジョン
- ノーマライゼーション
- セーフティネット
- サポートプラン
- 医学モデル,社会モデル
- パターナリズム
- 合理的配慮
インクルージョン
1980年代にヨーロッパで生まれた概念で社会的包摂とも言われ、「障害の有無を問わずすべての人の多様性を受け入れられる社会」を指します。
インクルージョンについては⇩こちらで解説しています。是非ご覧ください。
ウェルビーイング
well + being
よい 状態
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも全てがよい状態(ウェルビーイング)にあることをいいます。
引用:公益社団法人日本WHO協会 世界保健機関憲章前文(日本WHO協会仮訳)
幸せという表現もされますが幸せが一時的な感情を示すことが多いのに対し、ウェルビーイングはより持続的な状態を示しています。
バイオサイコソーシャル
バイオ⇦身体的(健康・遺伝など)
サイコ⇦精神的(感情・ストレスなど)
ソーシャル⇦社会的(家族や地域、経済状況など)
これら3つの側面に分けて、状況や環境を把握します。
これらバイオ・サイコ・ソーシャルの要因がそれぞれに独立しているわけではなく、相互に関連し合っており、一体的な視点で捉えて考えることが必要です。
エンパワメント
社会的に不利な状況におかれた方々の自己実現を目的に、強みや長所に着目して支援すること。自分の強みなどを理解することで自信を持ち、自らが主体的に取り組めるようになることを目指します。
エンパワメントについては⇩こちらで詳しく解説しています。是非ご覧ください。
スーパービジョン
経験やスキルを身に着けている支援者が、経験の浅い支援者に対してフィードバックなどを通して、助言・指導する方法をいいます。
助言指導を行う側=スーパーバイザー
助言指導を受ける側=スーパーバイジ―
ノーマライゼーション
「障害がある方を特別な存在として見るのではなく、障害があっても無くても全員が同じように社会の中で暮らしていけるようにする」という、デンマークから広がった考え方です。
ノーマライゼーションを実現していくために、バリアフリーなどに取り組んでいくことが必要になります。
セーフティネット
もともとは、高所作業やサーカスで落下した際に安全を確保するための安全網を示す言葉です。
福祉では雇用や生活困窮等様々な困難を抱える方々を支える社会保障の仕組みを示すことが多いです。
サポートプラン
こども家庭センターが作成する支援の必要が高いこどもと家庭を支援するための計画のことです。
支援の必要性が高い妊産婦・こども及びその家庭を中心に、当該支援対象者の課題と解決のため当事者ニーズに沿った支援方針を作成する過程で、支援対象者自身が、自らの課題と得られる支援内容を理解し円滑に支援を受け、状況の変化に応じた支援内容の見直しをすること、また、支援対象者に関わる関係者が支援内容等を共有し、効果的な支援を実施するためのもの。
引用:こども家庭センターガイドラインのポイント
社会モデル・医学モデル
医学モデル:障害を個人の心身の機能等による問題として捉え、治療やリハビリなどによって対応する。
社会モデル:障害は個人の状態と社会の在り方が合っていないことが原因と捉えて、環境面等社会の在り方などを考える。
医学モデル・社会モデルについては⇩こちらで解説しています。合わせてご覧ください。
パターナリズム
相手の利益のためには相手の気持ちに関係なく、生活や行動に対して干渉していくことが必要という考え方。父権主義とも訳されます。
パターナリズムについては⇩こちらで解説しています。合わせてご覧ください。
合理的配慮
(差別の禁止)
第四条 何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。
2 社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによつて前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない。
3 国は、第一項の規定に違反する行為の防止に関する啓発及び知識の普及を図るため、当該行為の防止を図るために必要となる情報の収集、整理及び提供を行うものとする。
引用:障害者基本法
上記第4条の2に示されているように、
障害の有無によって出来ることが変わらないように、障害がある方の社会的障壁に対して負担になりすぎない程度に配慮してくださいということです。
合理的配慮については⇩こちらで解説しています。合わせてご覧ください。
障害福祉の支援に関係する用語をいくつかご紹介させていただきました。
耳にしたことがある言葉でも、日常的に使用していないと知識として浸透することは難しいです。
「なんだっけ?」と意味があいまいな言葉を見かけたら、意味を確認してみてください。
その繰り返しが、知識を身につける近道になると思います。