障害福祉の分野で働く支援者には、専門的なスキルと知識が求められます。
本記事では、障害福祉支援者に不可欠なポイントをぎゅっと3つに絞って解説します。
対人援助職である障害福祉支援だからこそ理解しておいていただきたい内容となっています。
これらのポイントを理解しておくことで、障害がある方が望む支援にぐっと近づいて行くはずです。
1. 自分とは違う価値観を受け入れる
障害福祉支援者にとって、自分とは違う価値観を受け入れることは最も重要なことの一つです。
人は自分の価値観の中で生きています。生まれ育った環境等で作られてきた価値観は簡単に変わるものではありません。
支援者は時として自分の価値観を、支援をする対象に押し付けてしまうリスクを抱えています。
自分ではなく他者の人生を一緒に考える仕事だからこそ必要なポイントです。
【身についていない場合に起こり得るリスク】
- 自分の価値観を障害のある方に押し付けてしまう
- 障害がある方が望む支援を提供できない
自分とは違う価値観を受け入れるために
1. 一人の人間としての尊重
支援の対象者を一人の人間として尊重する姿勢が大切です。
「その人の人生はその人のもの」当たり前のことをしっかりと理解しましょう。
2. 多くの価値観に触れる
多くの方と話しをし、多くの人生と関わることで多くの価値観があることを知りましょう。
100人いれば100人の人生があり、価値観があります。
多くの価値観に触れることで自分の価値観をきっと広げてくれると思います。
2. 障害特性や福祉制度の理解
障害福祉支援者が支援する対象者は、障害がある方です。
障害という生活しにくさを抱えている方を支援する上で、障害特性を理解することは欠かせません。
障害特性を理解しないで支援することで、支援者が「良かれと思って」行った行為が、障害がある方にとって逆に辛いことである事も考えられます。
また、障害福祉で働くうえで障害福祉関連の法律やサービスの仕組みを理解することも大切です。
法制度には支援の理念や根拠が示されていますし、サービスの仕組みを知ることで障害のある方に多くの選択肢を提示することができます。
必要な知識を身につけることは支援者として欠かせないことです。
【身についていない場合に起こり得るリスク】
- 特性に合わない行為を行い、障害がある方を支援者が困らせるという本末転倒な状況
- 制度理解が乏しいため、相談に対応できない
障害特性や福祉制度を理解するために
1. 自己学習
障害特性や法制度については多くの書籍があり、インターネットでも情報があふれています。
障害がある当事者が書いた書籍などもあります。
必要な情報を取捨選択して、自分に必要な知識を身につけていきましょう。
2. 研修への参加
知識を身につけるという点では研修会への参加はとても有効的です。
研修会では活躍している講師から最新の情報等を得ることができます。
行政等が開催する無料の研修会も多いので、情報を集めて必要な研修会に参加しましょう。
3. 支援者同士の情報交換
同じ立場の支援者と話をすることも大切です。
自分だけで情報を集めるより、お互いの情報を交換することで多くのことが得られます。
「個別ケースについて」「制度情報について」様々な情報を交換することで自らの知識は深まっていくでしょう。
支援者同士の情報交換は自分の価値観を広げるためにも重要です。
どの仕事についても言えることだと思いますが、仕事の質を向上させていくためには情報のアップデートは欠かせません。
学びを忘れた支援は、必ず質が悪化していきます。
虐待の発生要因でもっとも高いと考えられるのは「支援技術の未熟さ」です。
特性と制度理解の重要性を理解して、日々学んでいきましょう。
情報は聞いた時点では刺激を得られても、時間とともに忘れてしまいます。
インプットした情報は、人に話したり仕事に取り入れるなどして必ずアウトプットすることが知識を活かす秘訣です。
3. チーム支援
支援はチームで行うものです。
事業所の中では、すべてのスタッフと。
事業所の外では、関係機関と。
支援は自分だけ、1つの事業所だけでは完結しないことを理解することが必要です。
【身についていない場合に起こり得るリスク】
- 1人や1事業所で課題を抱え込み、虐待リスクを高める
- 価値観が偏り、支援の方向性が狭まる
チーム支援を行うために
1. 支援の方向性の共有
チームとして支援するために、支援の方向性を統一することが重要です。
「私はこうやって支援する」「僕はこうする」では支援になりません。
支援の対象者のアセスメントを行い、必要な支援をチームで検討して方向性を定める。
その工程がチーム支援の基本です。
2. チームメンバーの相互理解
チームにはいろいろな人がいます。
だからこそ多様な価値観の中で支援が検討できるのです。
いろいろな人が集まったチームメンバーを活かした支援をするためには、誰が何が得意で何が苦手なのかをお互いに理解することが大切です。
支援者が理解すべきなのは障害がある方だけではありません。
ともに支援を行う支援者をお互いに理解することで支援力はぐっと上昇するでしょう。
もちろん事業所内ではチームメンバーについての理解ですが、事業所外であれば関係機関の強味と弱味、役割などの理解が必要です。
まとめ
障がい福祉支援者に求められる3つの必須ポイント
- 自分とは違う価値観を受け入れる
- 障害特性や福祉制度の理解
- チーム支援
について解説しました。
これらのポイントは支援の基礎となるものです。理解しないままでの支援では、支援にならないリスクも抱えています。
これらポイントの重要性をしっかりと理解しましょう。
障害福祉の仕事は支援を行いながら自分の価値観や知識を広げ、深めていける仕事です。
障害のある無しにかかわらず、誰でも安心して笑顔で生活していける社会を目指して共に歩んでいきましょう。